ISSUE: 01

Black T-Shirt

夜のドレスコードもクリアするエレガントな1枚

@Morishita Co.,Ltd.
艶やかで軽やか。
そんな黒Tシャツが着たかった
「襟がなくとも、ドレスシャツとして認められるようなクオリティー」。今回作りたかった黒いTシャツというのは、ジャケットを羽織ればそれなりのホテルやレストランのドレスコードもクリアする、そんなTシャツ。僕たちの“理想の黒Tシャツ作り”は、小さな生地スワッチの感触を手で確認することから始まりました。中には指先の感触に頼るような小さなスワッチもありました。100点程あった中から数日かけて選んだのが、森下メリヤスのスーピマコットンです。圧倒的な艶と触り心地に心を奪われ、この生地で作ったTシャツをイブニングジャケットに合わせて着てみたいと思いました。工場を見学に訪れた日は蒸し暑い日で、さすがに上着は羽織れませんでしたが、代わりに、と言ってはなんですが、ヒョウ柄のスカーフを首に巻きました。素材に冷却機能が効いているため、暑い工場内を歩き回っても、汗をかかず快適でした。森下展行社長にも同じTシャツを着て頂き、案内をして頂きました。
高密度なハイゲージを可能にする
スーピマコットン
同社は、白Tシャツを作って頂いた東紀繊維と同様、和歌山の老舗のファクトリーです。戦後、ニットの産地として栄えた和歌山には、かつて300を超える会社が組合を作っていました。しかし大量消費時代の到来により、人件費の安い海外へと生産拠点が移ったことでその数は激減。メイド・イン・ジャパンの存続が危ぶまれています。かねてより丸編みのニットを得意としている森下メリヤスは、近年はその高い技術を生地開発に活かしはじめました。大量生産ができない、付加価値の高いものづくりへとシフトし、ヨーロッパに輸出することで自分たちで需要を作り出しています。その評価は世界中に知れ渡っており、多くの海外のメゾンやトップブランドが、森下メリヤスの先進性に惚れ込んでいます。今回のTシャツは、厳選された繊維長の長いスーピマコットンを使ったハイゲージ生地を贅沢に2枚重ねしています。
4128本の針から生み出されるフラットな表面感
それは、保有する200以上の丸編み機から最新の高速機を選び、4128本もの針をセットして生み出されます。ポリエステルやナイロンのような化繊とは違い、天然のコットンでここまでのハイゲージの生地は珍しく、それだけスーピマの繊維が長い高級なものであることを証明しています。理想とする風合いや肌触り、そして糸との相性によって決めていく編み方もまた、アイデアや経験が問われるもの。森下メリヤスは表と裏が同じ組織となるインターロック編みを選びました。やや肉感があるため透けにくく、型崩れしにくいのが魅力で、一枚で着ても線の細さを感じさせません。出来上がった生地は、さらに県外の別工場に持ち込まれ、特殊な加工を施すことで、毛羽の少ない、さらにスムースで光沢のある仕上がりに。その艶やかな質感は、触れるとひんやり。まるで天然の機能素材のようです。
工程の数が多いほど、一枚の生地が出来上がるのにコストと時間を要します。しかし非効率なプロセスでしかなし得ない肌触りがあることは、袖を通せば歴然。ファッションが楽しくなる重要な要素だと思います。
株式会社 森下メリヤス工場 / 貴志川ニット
1907年創業以来110年以上続く、和歌山で最も古い丸編み生地工場。丸編み機200台を保有する国内有数のジャージ素材メーカーで、経験値の高い生地職人とともに森下メリヤスしかできない「JAPAN Quality」を目指した生地を生産している。自社でオリジナルテキスタイルの企画・開発を行い、パリの素材見本市・プルミエールヴィジョンにも出展。海外ラグジュアリーブランドからオファーが絶えない世界有数の生地メーカーとして知られている。
〒640-0411 和歌山県紀の川市貴志川町前田36
https://www.morishitaknit.jp/
STAFF CREDIT TEXT: Masayuki Ozawa / PHOTO: Michaël Nambu / MOVIE: Shin Ashikaga

Black T-shirt

18,150yen

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